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- 2026.08.04 火
清掃の資格|法人・ビル清掃で役立つ種類と取り方を解説
「清掃の仕事に役立つ資格を取りたい」「会社として有資格者を増やし、信頼や受注につなげたい」。そのように考える方に向けて、この記事では法人・ビル清掃(ビルメンテナンス)の現場で役立つ資格を、種類・取り方・選び方の順に整理します。
なお、ハウスクリーニングアドバイザーなどの個人向け(ハウスクリーニング系)資格は目的が異なるため、本記事では扱いません。あわせて、清掃の仕様書の品質を高める新しい資格「建物清掃プランナー」も紹介します。
清掃の資格は「個人向け」と「法人向け」で異なる|本記事は法人・ビル清掃向け
清掃に関する資格は、大きく「個人向け」と「法人向け」に分けて考えると整理しやすくなります。目的が違うため、取るべき資格も変わります。
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個人向け(ハウスクリーニング系):一般家庭の掃除・独立開業などが目的。ハウスクリーニングアドバイザー、クリンネスト など
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法人向け(ビルクリーニング・ビルメンテナンス系):オフィスビルや商業施設、学校・病院などの清掃が対象。ビルクリーニング技能士 など
本記事は、このうち法人・ビル清掃向けの資格に絞って解説します。ハウスクリーニングなどの個人向け資格は目的が異なるため取り上げません。「会社として清掃の品質や信頼性を高めたい」「ビル清掃の現場でキャリアを積みたい」という方に向けた内容です。
ビルメンテナンスの資格全体像と本記事の範囲
ビルメンテナンスの資格は、清掃だけでなく設備管理や警備まで幅広く存在します。全体像を押さえておくと、自分が目指す分野が見えやすくなります。
| 分野 | 主な資格(例) | 本記事での扱い |
| 清掃系 | ビルクリーニング技能士、清掃作業監督者、建築物清掃管理評価資格者 など | ◎ 詳しく解説 |
| 設備系 | 第二種電気工事士・2級ボイラー技士・危険物取扱者乙4・第三種冷凍機械責任者(ビルメン4点セット)、電験三種、エネルギー管理士 など | 名称のみ紹介 |
| 警備系 | 警備員指導教育責任者、警備業務検定 など | 名称のみ紹介 |
設備系・警備系はビルメンテナンス業界で重要な資格ですが、本記事は「清掃」に特化して解説します。設備系の代表格である建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、清掃を含む建物全体の衛生管理に関わるため、後ほど取り上げます。
法人・ビル清掃で役立つ国家資格
まずは、法人・ビル清掃の現場で評価される主な国家資格を紹介します。就職やキャリアアップ、会社としての信頼獲得に直結する資格です。
ビルクリーニング技能士(1〜3級・基礎級)
ビルクリーニング技能士は、ビルの所有者から委託を受けて行うビルクリーニング作業の技能を評価する国家資格です。ビル清掃のスペシャリストであることを公的に証明できます。
等級は、外国人技能実習生向けの基礎級・随時級のほか、3級・2級・1級があります。学科試験と実技試験があり、2級以上の受検には実務経験が必要です。
合格率の目安は3級が60%前後、2級が45%前後、1級が40%前後です。就職・転職からキャリアアップまで、法人清掃の軸になる資格です。
また、公民館や図書館など官公庁物件の入札案件ではビルクリーニング技能士を配置しなければならない場合もあります。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
建築物環境衛生管理技術者は、通称「ビル管理士」と呼ばれる国家資格です。清掃だけでなく、空気環境・給排水・害虫防除など、建物全体の衛生管理を統括する立場を担います。
面積が3,000平方メートル以上の特定建築物には、この資格を持つ人を選任することが法律で義務づけられています。そのため有資格者は重宝され、法人清掃・ビルメンテナンス業界でのキャリアの到達点のひとつとされています。合格率はおおむね10〜20%前後と難関で、実務経験を積んでから挑戦するのが一般的です。
清掃作業監督者
清掃作業監督者は、清掃現場の作業計画や品質管理、従事者の指導を担う立場を認定する資格で、講習を修了することで取得できます。建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)に関わる、現場責任者向けの資格です。
現場のリーダーや管理者を目指すなら、技能士とあわせて取得しておきたい資格です。
法人・ビル清掃に関わる講習・研修・専門資格
国家資格以外にも、現場で求められる講習・研修や専門資格があります。品質保証や法令順守の観点で重要なものを整理します。
建築物清掃管理評価資格者(インスペクター)
建築物清掃管理評価資格者は、清掃の品質を第三者の目で点検・評価する資格で、全国ビルメンテナンス協会の制度です。「きちんと清掃されているか」を客観的な基準で評価できるため、品質保証や顧客への説明力の面で役立ちます。
各種従事者研修(清掃作業・空調ダクト・貯水槽・排水管・防除)
建築物衛生法に関連して、作業ごとの従事者研修が用意されています。現場で安全・衛生的に作業するために求められるもので、主に次のような研修があります。
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清掃作業従事者研修
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空気調和用ダクト清掃作業従事者研修
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貯水槽清掃作業従事者研修
いずれも、担当する作業に応じて受講します。会社として登録業(建築物清掃業などの登録)を行ううえでも関わってくる研修です。
病院清掃受託責任者
病院清掃受託責任者は、医療機関の清掃を受託する際に求められる資格です。医療現場は感染対策など高い衛生水準が必要なため、専門の責任者を置くことが重視されます。
なお、「病院」と「クリニック(診療所)」は病床数で定義が分かれます。病床数20床以上が病院、19床以下または病床なしが診療所(クリニック・医院)です。病院清掃受託責任者は主に病院の清掃を受託する際に関わる資格で、クリニックの清掃であれば、この資格がなくても受託できます。自社が対象とする施設に応じて、取得の要否を判断しましょう。
【注目】建物清掃プランナー|清掃の仕様書の品質をあげる資格
ここまでの国家資格・研修とは別の軸で、近年登場したのが「建物清掃プランナー」です。清掃の技能そのものではなく、清掃の仕様書(作業の設計図)の品質を高める、実務直結の資格です。運営は建物清掃プランナー協議会(事務局:クリーンシステム科学研究所)です。
建物清掃プランナーとは
建物清掃プランナーは、清掃の作業範囲・内容・作業時間を整理し、積算することで、清掃業務を「設計された業務」として説明できる状態にする人材を認定する資格です。
清掃は担当者の経験に頼りがちで、人が変わると品質や作業内容がぶれやすい業務です。仕様書として業務を明文化できれば、担当者が変わっても再現性を保てます。属人化を防ぎ、社内で清掃の基準をそろえたい会社に向いた資格です。
作成できる清掃仕様書の中身
この資格で作成できるのは、写真付きの図面や積算表を含む、具体的な清掃仕様書です。日常清掃と定期清掃の両方について、「どこを・どのように・どれくらいの時間で清掃するか」を可視化した仕様書を作れるようになります。
仕様書の品質が上がると得られる効果
清掃の仕様書の品質が上がると、実務面で次のような効果につながると考えられます。
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見積もりの精度が上がる:作業範囲と時間が明確になり、根拠のある見積もりが出せる。
結果として値上げ交渉や受注率の向上につながると考えられる -
現場の属人化の緩和:“適宜”や“金属部分”といった曖昧語を無くし、特定のスタッフに頼りすぎない仕組みづくりに寄与する。
「なんとなくの見積もり」から「設計された業務にもとづく見積もり」へ変えることが、受注と現場品質の両面で効いてくるという考え方です。
取得方法・費用・更新
建物清掃プランナーは、1日完結型の講座(計5.5時間程度)を受講し、試験に合格することで取得できます。試験は選択式25問・30分で、正答率70%以上が合格の目安です。
| 項目 | 内容 |
| 講座 | 1日完結型(計5.5時間程度) |
| 試験 | 選択式25問・30分/正答率70%以上 |
| 費用 | 55,000円(税込み 各種キャンペーンあり) |
| 更新 | 3年ごと(更新料22,000円予定) |
こんな清掃会社・担当者におすすめ
建物清掃プランナーは、清掃現場の管理・品質管理・積算・見積もり・提案に関わる実務者や、仕様設計の説明力を高めたい・社内標準化を進めたい企業に向いています。
詳細や申し込みは公式サイトをご確認ください。
法人清掃資格の難易度・合格率・受験料を比較
ここまで紹介した主な資格を、難易度・合格率・費用の目安で比較します。自分の目的や実務経験に合わせて選ぶ参考にしてください。
| 資格 | 種別 | 合格率・難易度の目安 | 受験料・費用の目安 |
| ビルクリーニング技能士 3級 | 国家 | 約60% | 学科3,000円+実技15,000円 |
| ビルクリーニング技能士 2級 | 国家 | 約45% | 学科3,500円+実技18,000円 |
| ビルクリーニング技能士 1級 | 国家 | 約40% | 学科3,700円+実技20,000円 |
| 建築物環境衛生管理技術者 | 国家 | 難関(10〜20%前後) | 受験手数料 約13,900円 |
| 清掃作業監督者 | 講習 | 講習修了で取得 | 受講料(新規42,000円) |
| 建築物清掃管理評価資格者 (インスペクター) | 民間 | 修了課題の審査(点数非公開) | 102,300円(協会員割引・web申し込み割引あり) |
| 建物清掃プランナー | 民間 | 試験25問・正答率70%以上 | 55,000円 |
【目的別】法人・ビル清掃の資格の選び方
資格は「取ること」自体が目的ではなく、目的に合ったものを選ぶことが大切です。代表的な3つの目的別に、おすすめの進め方を紹介します。
清掃業に就職・転職したい人
これから清掃業で働きたい人は、まずビルクリーニング技能士3級や、各種従事者研修から始めるのがおすすめです。未経験でも挑戦しやすく、基礎的な知識と技能を身につけられます。
現場でキャリアアップ・監督を目指す人
現場でのキャリアアップや、監督・管理職を目指すなら、ビルクリーニング技能士1級 → 清掃作業監督者 → 建築物環境衛生管理技術者、という順にステップアップするのが王道です。技能から管理・統括へと、担当できる範囲が広がっていきます。
清掃会社で受注率・収益性UPを目指したい方
経営者や管理者として、会社の受注率や収益性UPを目指したい方は、建物清掃プランナーという選択肢があります。仕様書の品質を高めることは、見積もりの精度や原価管理という、受注と利益に繋がる武器になりえるからです。
※業務成果や受注・売上等を保証する資格ではありません。
法人・ビル清掃の資格を取得するメリット
法人・ビル清掃の資格を取得すると、個人にも会社にも次のようなメリットがあります。
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就職・転職で有利になる(有資格者は採用で評価されやすい)
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現場の監督者・管理者として働ける
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登録業の要件や法令順守に直結する
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取引先や顧客からの信頼獲得につながる(有資格者在籍のアピール)
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仕様書の品質向上により、受注率や原価管理の改善につながる(建物清掃プランナー)
資格は個人のキャリアだけでなく、会社の受注力や信頼性を底上げする投資にもなります。
資格取得の進め方(受験の流れ)
最後に、資格取得の一般的な流れを整理します。資格によって細部は異なりますが、基本の流れは共通しています。
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受験要件を確認する(ビルクリーニング技能士2級以上などは実務経験が必要)
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必要な実務経験を積む
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実施団体へ申し込む
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学科・実技試験、または講習を受ける
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合格・修了後、必要に応じて登録・更新を行う
とくに国家資格は実務経験の要件があるものが多いため、まずは自分が受けられる資格・級を確認することから始めましょう。
まとめ:目的に合った法人・ビル清掃の資格を選ぼう
法人・ビル清掃の資格は、就職・キャリアアップ・監督/管理・実務改善のどれを目指すかで、選ぶべきものが変わります。就職や転職ならビルクリーニング技能士、監督・ビル管理を目指すなら清掃作業監督者や建築物環境衛生管理技術者が目安です。
まずは目的を整理し、受験要件を確認したうえで、目的に合う資格から挑戦してみましょう。
東葉アメニティには、ビルクリーニング技能士をはじめ有資格スタッフが在籍し、確かな品質で清掃を提供しています。